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梅ノ木の家

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所 在 地:愛知県日進市
用     途:併用住宅
主 構 造:木造 2階建て
敷地面積:212.78㎡
延床面積:105.47㎡

設計者自身とその家族のための家である。

敷地は、北側に地域の集会所があり以前から続くコミュニティに隣接する一方、周辺は古い集落に少しずつ宅地開発や世代交代の兆しが窺える場所であった。

この地域における公共性の分布や、変化しつつある新旧のコミュニティの分布に対し、生活空間を確保しながらまちの環境や風景をダイレクトに感じられる場所、そして自立的でありながら変化を受容し、まちを観測する拠点のような場所が相応しいと考えた。

 

そこで、機能を納めた小部屋を敷地の縁に寄せて配置し、広く残した中央の空地を共有する生活空間とした。そこに、小さく分けた屋根を必要な場所にふわっと浮かせ、その内外に家具や植物が散らばり生活をつくる。それは箱に窓を穿つとは逆の、枝葉を集めて巣を作るようなプロセスである。

小部屋同士の隙間からは庭木が見え、その奥には通りや街並みが見え、少し遠くに小山が見える。屋根の隙間からは隣家の屋根が見え、空が見える。手元にある物や家具などの近景から、街並みや空といった遠景まで無数の奥行きが様々な方向に広がる。柔らかく守られながらどこまでも広がる家である。

 

幼少期を思い返すと、実家を座標の原点として東西南北を認識し、世界を知覚していた。住む場所を決めることは、世界の座標の原点を設定することであり、その生活は原点から世界を眺める営みである。

この家はある地域の片隅にありながらも、住人にとって原点であり、ここから世界がどこまでも広がっていると感じられる場所である。まちと繋がった生活空間は、まちの風景、周辺の人びとの活動、季節や空模様に影響を受け変わりゆく。それを受け入れ、観測しながら、まちと共に生きていく。

 

周囲に見られるミニ開発の行く末は、個々にプライベート化された住宅群と移動に特化した道路空間である。集会所という地域コミュニティの場に隣接するこの住宅がまちに溶け出すことによって、住宅地を解きほぐし、コミュニティのある界隈を持続する一端を担えればと考えている。

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